映像について

つい最近まで、映像を作品にするとは考えていなかった。モノを扱った制作を続けるなかで、映像の、とくにプロジェクターの、極薄の世界とその奥にある物語の関係性ばかりを考えていたからかもしれない。
このあいだ、自宅で湯葉をつくった。豆乳が出汁とともに混沌とし煮詰まるなか、箸を入れると襞状の極薄の個体が浮かび上がる。薄い個体は、液体からのエッセンスとして、美味しくわさび醬油でいただけるものだった。
鍋に入った材料のように、世の中のものをすべて一度にすくうことはできない。煮詰めつづけていくとやがて水分は蒸発し、そこに湯葉が残るのだ。
4年ほど前から、興味の赴くままに、目にはいってくる景色を5分くらいずつ撮りためていた。それをランダムに編集し、景色が流転していくスープをこさえました。今夜はそれを各々の箸ですくって、あらためて味わう会にできたらと思っています。

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