12人の移動するアーティスト

– 2016年に移動した場所

展覧会で行ったところは、台湾(台北、台中)、名古屋、ロンドン、ニューヨーク、インド(コチ)。リサーチでは滋賀、北海道の札幌から音威子府まで、パリ、ベルリンなど。

– 一番印象に残った場所は? そこでの出来事を教えてください。

コチ
 訪問した目的は、コチ=ムジリス・ビエンナーレ2016への出品のためで、4月に下見に5日間、12月に設営のために3週間滞在しました。コチの歴史はとても古く、大航海時代にポルトガル、オランダ、イギリスといったさまざまな国の植民地だったことが影響し、いろんなデザインの建造物が入りみだれ不思議な風景をつくっている街です。
 ここでの設営は本当に大変でした、、。人生最大の展示室(廃墟)だったうえに、現地の設営スタッフは地元の大工さん、電気工事屋さん、学生という、人数はたくさんいても、ほとんどの方は普段美術のお仕事をしているわけではないので、全ての工程をチェックしなければいけない状況でした。日本の場合、インストーラーは打ち合わせ、制作、設営、なんとなくの掃除、すべてを一人でこなしてくれますが、インドでの作業は、オーガナイザーにオーダー→職人のボスに話が伝わる(ここで再度わたしからも説明する)→ボスからの指令(ここで再度わたしからも説明する)→作業(ここで再度わたしからも説明する)→インストーラーは言われたことだけをする→掃除やペンキ塗りはわたしから他のボスに頼む必要がある(以下繰り返し)という流れで、ひとつのことをするのに何度も何度も確認をしなければいけませんでした。
 人生初のインドでの設営はひどく疲れましたが、食べ物は美味しく、人々はとても穏やかなので、不思議と爽快感が残る体験だったと思います。帰国前日に、道を歩いていると突然、バーン! と大きな爆発音がして、テロかと思い驚いて音が鳴ったほうに目をやると、電柱上にある剥き出しのトランスにカラスが留まって感電し、死後硬直したままボテッと落ちていきました。あまりのショックに呆然としていると、まわりにいたオート三輪の運転手たちがこちらを見て笑いながら「よくある、よくある」と手をふるような愉快な街。来年、もう一度行こうかと思っています。
 それから、今年は台北と台中を展覧会のために4度訪れました。仕事の後の台湾フードとマッサージがたまらなかったです。

http://artscape.jp/focus/10130967_1635.html

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